高槻市 雨漏りに繋がる瓦のズレの原因

雨漏りした天井
瓦屋根の雨漏りといえば、地震や台風によって瓦が崩れるなど被災した際に起こるイメージがあるかと思います。

もちろん災害が原因であることも多いのですが、それよりも多いのが瓦の下地のメンテナンス不足です。

瓦の下地のメンテナンスと聞いてピンとくる方のほうが少ないかと思いますが、このメンテナンスの有無が、同じ災害でも屋根が無事で済むか、被災して雨漏りするかの明暗を分けるのです。


瓦屋根の劣化した葺き土
今回は高槻市にお住まいの方より、雨漏りの原因を調べてほしいというご依頼があり、現場に向かいました。

瓦屋根の瓦の下には、旧工法であれば葺き土、新工法であれば防水シートがあります。

耐震性に問題があるとされ、現在では衰退している葺き土工法ですが、築年数が経った瓦屋根であればたいてい下地には葺き土があります。

こちらの屋根も築年数が経っており、瓦を捲るとこのようにパサパサになって崩れた葺き土がありました。

葺き土が剥き出しになった瓦屋根の棟
こちらは瓦屋根の頂上にある屋根面の接合部分で、棟(むね)と言いますが、瓦の隙間から葺き土が剥き出しになっているのがわかるかと思います。

本来はこの葺き土を覆うように漆喰が塗り込められているのですが、経年劣化により漆喰がほぼ剥がれてしまい、降雨時には葺き土が直接濡れてしまうような状態です。

過剰に濡れる事を繰り返した葺き土は、劣化して痩せてしまい、崩れ出します。
瓦屋根のズレた瓦
下地の葺き土は、瓦を接着している土台です。

その葺き土の劣化を長く放置すると、強風や雨などの影響を受けてどんどん屋根面の瓦がズレてきます。

下から見上げても気づかないことが多いのですが、これだけズレると雨水がどんどん侵入して葺き土を通りぬけ、屋根裏まで浸透していきます。
ズレて隙間が出来た棟瓦
瓦屋根の棟は、屋根面の接合部分を守るために熨斗(のし)瓦と呼ばれる長方形の瓦が複数段積まれていることが多いです。

ただ、葺き土が劣化して土台がグラついた棟はこのように少しずつズレていき、大きな雨水の侵入口となるとなるため、屋根下地のメンテナンスの中でも棟の重要度は最も高いと言えます。
瓦屋根の点検
瓦屋根の耐用年数は50年以上と、他の屋根材と比較しても最も頑丈といえますが、どうしても下地は劣化してしまいます。

瓦のズレなどは下から見上げてもわかりにくく、ましてや屋根下地の劣化を普段意識したりしないと思いますが、雨漏りしてしまうと天井を含めた大リフォーム工事となり費用もかさみます。

築年数が15年以上経っている場合は特に、屋根の点検を業者に依頼して状態を把握しておきましょう。