茨木市 瓦屋根の劣化と災害対策

近年は地球環境の変化もあり、これまで関西ではなかったような大型の台風や爆弾低気圧、豪雨などの気象災害が頻発するようになりました。

これらはいつ発生するかも分かりませんし、防ぎようもないので、私たちは各自災害対策をして備えることしかできないのが現状です。

住宅の中で1番気象災害の影響を受けるのは屋根であり、普段目にしないところかもしれませんが災害対策として点検やメンテナンスが重要です。

今回は、茨木市にお住まいの方からのご依頼で、瓦屋根の強風被害調査に行ってきました。



風で剥がれた平部の瓦

風で剥がれた平部の瓦
瓦屋根の瓦は本当に優れた屋根材で、瓦自体が劣化することはほぼありません。

強風時の飛来物が当たったりというアクシデントがない限り、何十年何百年ともつ素材です。

こちらの屋根も築年数はかなり経っていましたが、瓦は表面上とてもキレイに保てており、その分内部の葺き土の劣化などは意識していなかったようです。

築年数が経っている瓦屋根の内部には葺き土が詰められており、経年劣化すると痩せて瓦を固定する機能を失ってしまい、強風に負けて瓦がこのように剥がれてしまいます。

現在瓦屋根を施工する際には葺き土は使用せず、「引っ掛け桟瓦葺き」という桟木に瓦を引っ掛けてなんばん漆喰で仕上げる工法が主流で、弊社でも葺き直しをする際にはこの新工法を用いています。


瓦屋根の錆びた谷板金
上写真のように、屋根面と屋根面が谷状に合流している部分を谷部(たにぶ)といいます。

この谷部は雨水が集中して流れ込むところなので、下に流し落すために谷板金という金属板が設置されてありました。

金属なので築年数が経てば錆びて劣化し、穴があいてきます。

半永久的に使用できる瓦とは違って、この谷板金は穴があく前に交換しておく必要があります。
強風で冠瓦が剥がれた隅棟
屋根の頂上部に位置する屋根面の取り合い部分を棟(むね)といいます。

天候の影響を日々受け続ける屋根の中でも、特に雨風の影響を受けやすいのが棟です。

こちらの棟は、瓦を接着していた漆喰と葺き土の劣化が著しく、強風によって本来被せてあった冠瓦がほとんど剥がれて飛んでいってしまっていました。

災害前の平時に、この部分を点検してなんばん漆喰で補強しておくと、こうした被害をほとんど防ぐことが出来ます。
瓦屋根のメンテナンスは、瓦が表面上キレイであれば特に疎かになりがちです。

でもいざ災害があって屋根に被害が出たら、補修工事の費用がかさみますし、災害後はなかなか業者がつかまらず、補修は何か月も待たなければいけないことになります。

何かある前にメンテナンスしておけば、長期的にみてもコスパがよく、災害時も安心して過ごせます。

瓦屋根救援隊では随時無料点検を実施しております。

瓦1枚の交換でも、お気軽にお問い合わせくださいね。