豊中市 瓦屋根から土が流出するのはなぜか

近年頻発する風災や震災直後の映像では、瓦が剥がれて被災している屋根をよく見かけます。

その屋根をよく見てみると、屋根上に剥がれた瓦のほかに土のようなものが流出していることが多いです。

これは、ひと昔前までスタンダードだった土葺き工法によって造られた屋根の劣化による被災がほとんどです。

今回は土葺き工法の屋根はなぜ崩れるのか、そして現在防災対策として葺き土の代わりに何が使われているかをご紹介します。
風災で土が流出した屋根

土葺き工法とは、屋根全面に土を敷き詰めることで建物を重くして安定させることを目的とした工法です。


葺き土には、屋根瓦を接着して風で飛ばないようにしたり、雨水を吸収したり、断熱効果の役割もありましたが、現在では耐震力や耐風力が問題視され、土葺き工法で屋根を葺くことはほぼなくなりました。


衰退したきっかけは関東大震災と言われています。


関東大震災により多くの家が倒壊し、その復興後には関東地区では土葺き屋根を見かけることがなくなったそうです。


ただ、全国でも比較的地震が少なかった関西地方では、今でも土葺き工法で造られた屋根を多く見かけます。


近年頻発する台風によって被災している屋根のほとんどはこの土葺き屋根です。

漆喰が剥がれ葺き土がこぼれた瓦屋根
先日豊中市にお住いの方からご依頼があり、現場調査に伺った時の写真です。

土葺き工法は、内部に土を敷き詰めて瓦を設置し、隙間には漆喰を詰めます。
(上写真の瓦の隙間に見える白い部分が漆喰です。)

この漆喰は、瓦の隙間を埋めることで雨漏りを防いでくれるのですが、絶えず降り注ぐ紫外線や雨風の影響を受けて約15年ほどで劣化しヒビ割れて剥がれていきます。

その隙間から侵入した雨水によって葺き土は濡れてまた乾燥します。

これを繰り返して経年劣化した葺き土は、痩せてきて接着機能が弱まり、漆喰との密着力もなくなって瓦を支えられなくなります。

支えを失った瓦はやがて剥がれて落下し、接着機能を失った土が剥き出しになり、そのまま流出します。
瓦屋根に使用されるなんばん漆喰
土葺き工法による漆喰と葺き土の互いの密着力の低下を解決するため、現在では葺き土と漆喰両方の役割を果たせる「なんばん漆喰」とよばれる下地材のみで仕上げる工法が主流となりました。

1種類で仕上げるので隙間が出来ず、防水力も高いため、雨水の侵食もほとんどなく屋根自体の寿命が格段に延びます。

瓦屋根は本来非常に頑丈なのですが、旧来の土葺き工法で施工された屋根が災害時に崩壊するケースが相次いでいるため、「うちももしかして・・?」と気になったら1度点検してみることをオススメします。