摂津市 崩れやすい瓦屋根棟の防災対策とは

※2020年8月20日更新
昔から愛され続けている瓦屋根ですが、その工法は時代とともに進化し続けています。

地震や近年大型化する台風、全国各地で多発するようになった豪雨で崩れないように防災対策に着目した施工法が主流です。

今回の棟の補修工事では、防災対策を施した「防災棟」を施工致しました。
瓦が剥がれた棟
一般的な瓦屋根には、屋根面取り合い部分に瓦が数段積み上げられています。

この部分を棟(むね)といいますが、平部(ひらぶ)と呼ばれる斜面部分よりも比較的外気の影響を受けやすく、下地の葺き土が経年劣化するとこのように崩れて瓦も剥がれてしまいます。
ズレやすい鬼瓦まわり
瓦屋根の瓦が一部剥がれても、その下には葺き土や野地板などの下地が施工されてあるので、すぐに室内に雨漏りするわけではありません。

ただその隙間から確実に雨水は侵入するので、長く放置すれば下地を腐食させることになります。

雨水が屋根裏や天井まで到達するのは避けたいので、早めの処置がオススメです。

防災棟を施工します

瓦屋根の棟金具設置
まず瓦を一旦剥がし、葺き土を除去します。

そこに防災対策として棟を補強するための棟金具を設置します。
瓦屋根のおいあて瓦施工
棟金具を設置した後、露出していた隙間を埋めるようにして、追い当て瓦を施工します。

雨水侵入を防ぐため、棟に沿った形に瓦をカットしたものです。
瓦屋根の棟芯材
次に防災棟の要となる棟芯材と呼ばれる木材を設置します。

さきほどの棟金具と棟芯材に横からビスを打ち付けてしっかり固定していきます。
なんばん漆喰施工
棟芯材を両脇から覆うようになんばん漆喰を施工します。

棟の下地には長い間葺き土が使用されてきましたが、防災対策に着目されるようになってからは、高い耐久力があり劣化を防ぐなんばん漆喰が使用されるようになりました。
冠瓦設置作業
最後に棟を覆う冠瓦を設置します。

さきほど設置した棟芯材に、瓦を1枚ずつパッキン付きのビスで固定していきます。
完成した防災棟
防災棟が完成しました!

屋根下地、棟金具、棟芯材、冠瓦を全てビスで固定し、さらになんばん漆喰で固めた防災棟は、従来の棟に比べて耐風力や耐震力が大幅にアップします。

屋根は専門家が屋根に上って点検しないとなかなか不具合に気づけないものです。

劣化・補強など気になることがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。