摂津市 瓦屋根の台風被害はなぜ起きるのか

近年、全国各地で大規模な台風被害が増え、関西でも昨年の台風21号は今世紀最強とも言われ、大きな被害をもたらしました。

台風被害を報道するニュースの映像で、瓦屋根が崩壊している住宅を目にする機会が残念ながら多くなりましたが、こうした屋根被害の多くはメンテナンス不足によるものが原因です。

今回は摂津市での風災後の屋根の点検写真とともに、台風被害の原因と対策をご紹介します。
瓦が剥がれた大棟
台風被害で1番多いのが、瓦屋根の頂上に位置する棟部分の被害です。

屋根面の接合部分を守るようにして積み上げられた棟瓦は強風の影響を受けやすく、瓦が剥がれて落下してしまう被害が多くみられます。
風災後の瓦屋根の大棟
こうした棟瓦の被害の原因の多くは、この棟瓦を支える漆喰や葺き土の経年劣化です。

上写真で、複数段積まれた棟瓦と斜面の瓦の隙間を埋めるように施工されている白い部分が漆喰です。
この漆喰は、瓦の隙間を埋めて雨風が入り込むのを防ぎ、棟瓦同士を接着する重要な役割がありますが、頑丈な瓦とは違って15年から20年ほどで経年劣化が起こります。

経年劣化した漆喰はパサパサにひび割れ、剥がれ落ちてきます。

築年数が経った屋根の場合、内部には葺き土と呼ばれる土が土台として施工されていますが、漆喰の隙間から侵入した雨水はこの葺き土を傷めます。

濡れたり乾燥したりを繰り返した葺き土はやがて劣化して痩せてしまい、棟全体がグラついて歪んでしまうため、風災時に一気に崩壊するのです。
風災後の瓦屋根の平部
屋根の平面部分を平部といいます。

この平部の瓦の下にも築年数が経っている場合は全体に葺き土が施工されています。

経年劣化して痩せた葺き土のままだと、瓦を固定できず強風時にこのようにズレて剥がれてしまいます。
葺き土劣化で瓦が剥がれた屋根
こうした瓦内部の葺き土劣化は、普段生活していて目にするものではないので放置してしまいがちです。

屋根を見上げた時に瓦のズレなどがあれば、早めに業者に依頼して補修しておくことがいざという時の防災対策に繋がります。

築年数が経っている場合は特に異変がなくても、異常がないか点検してもらうのがオススメです。
瓦屋根の点検
台風被害の原因の多くは漆喰と葺き土の経年劣化です。

対策としては、定期的な漆喰補修がオススメです。

内部の葺き土まで劣化しているようであれば、棟の場合は葺き土を撤去して内部に棟芯材という木材を設置する防災棟に積み直す方法もあります。

平部の場合は内部に桟木を釘打ちして瓦を固定して耐久性を高める工法もあります。
瓦屋根の瓦は頑丈なので、既存の瓦をそのまま利用して防災対策を施すことが出来ます。

瓦屋根救援隊では、瓦屋根の専門家が費用やご要望に合わせた幅広いご提案をさせていただきます。

気になること、ご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください。