茨木市 台風被害にあった瓦屋根

※2021年12月6日 記事更新

屋根は普段目にすること少なくても、毎日、さまざまな天候からお住まいを守ってくれている大切な部分です。

日々の生活において、屋根の劣化を気にすることはほとんどないかもしれませんが、築年数の経った家や、昔の工法で作られた屋根は、思いのほか劣化している事があります。

近年は規模の大きい台風が頻発しており、雨漏りはしてないからと劣化を放置していると、取り返しがつかないほど屋根が損壊してしまうことがあります。

今回は、茨木市にお住いの方から「早急に屋根をみてほしい!」というお問い合わせがあり、現場に向かいました。
倒壊した棟
屋根の頂上にある棟部分です。
接着していた漆喰や葺き土の劣化に気づかないまま、台風がきてしまい、棟の頂上の冠瓦はほとんどすべて剥がれ、損壊しています。
下地の葺き土も剥き出しになり、雨風を受けて崩れ出している状態です。
剥がれた瓦
台風が来る前は、瓦のズレや剥がれがあるとは気づかなかったそうです。
ただ、こちらの屋根は築年数が経っており、以前主流だった土葺き工法で施工されていました。
経年劣化によりもともと瓦と下地に隙間があり、そこから雨風の影響をもろに受けて剥がれたものと思われます。
漆喰が劣化した瓦屋根

劣化して表面がパサパサになった漆喰

こちらの家は、普段雨漏りもなく、下から見上げても瓦の劣化に気づかなかった為、メンテナンスをしてこなかったようですが、瓦自体は頑丈でも、それを接着している漆喰はどうしても経年劣化します。

漆喰にはもともと防水性がありますが、年数が経過すると、表面から徐々に防水性が失われてしまいます。

防水性を失った漆喰は、やがて表面からパサパサに乾燥し、左写真のようにひび割れてきます。

そうすると瓦への粘着性が低下してきて、台風などの影響を受けて最後は剥がれて崩れ出してしまいます。
崩壊した屋根
瓦屋根は、1999年に工法が改定される前までは、瓦の下地として屋根全体に土を敷く土葺き工法が一般的でした。

土を敷いて屋根を重くすることで、建物の耐風力を上げるという考え方だったのです。

現在の瓦屋根は、科学的な実験データに基づいた「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に準拠した工法(通称:ガイドライン工法)で施工します。(葺き土は使用しません)

瓦自体にも防風対策が施されて耐風性や耐震性が飛躍的に高まっており、他の屋根材と比較しても、かなり優秀です。

今回お問い合わせをいただいた方は、これまでの瓦屋根の外観を変えたくないとのご要望があり、葺き直し工事を提案させていただきました。

従来の工法で使われていた葺き土を全て撤去して、既存の瓦を使い、破損した瓦のみ新調して耐風性・耐震性に優れた「ガイドライン工法」で施工する工事です。

瓦屋根救援隊では、屋根全体の葺き替え工事から瓦1枚の交換まで、喜んで対応させていただきます。

そもそも修理が必要かどうかのご相談も、専門スタッフが無料で対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。