スタッフブログ

池田市 鬼瓦の役割とメンテナンス

2021年6月28日|カテゴリー「スタッフブログ
瓦屋根は、瓦自体は焼き物なので非常に頑丈に出来ていて、色あせなどの経年劣化もなくメンテナンスフリーとも言われています。

ただ、瓦を接着している葺き土や漆喰は、どうしても天候の影響を受けて経年劣化します。

その劣化を更に放置すると、屋根全体が劣化して、雨漏りが発生したり、災害時に損壊する原因となります。

今回は池田市に、漆喰劣化で鬼瓦が落下してしまった屋根の点検写真とともに鬼瓦の役割とメンテナンスについてご紹介します。
鬼瓦
瓦屋根の屋根面の接合部分は、雨の影響を受けやすいので、上に瓦を積んで雨を下に受け流すように造られています。

この部分を棟(むね)といいますが、その先端に設置される装飾瓦を鬼瓦と呼びます。

厄除け・魔除けのイメージがあるこの鬼瓦は、屋根の構造上でも重要な役割を担っています。
鬼瓦がはずれた瓦屋根の棟
雨を受け流す棟には葺き土やなんばん漆喰が詰められており鬼瓦はこの棟の端を蓋することで内部に雨風が侵入しないようにしています。

こちらの屋根は築年数が経っており、旧工法で使用されていた葺き土が詰められていました。

このように鬼瓦が剥がれてしまうと、内部の葺き土が剥き出しになって雨に濡れ、劣化して痩せる事で崩れて流出します。

葺き土が流出して内部がスカスカになった棟は、台風などの際に一気に崩壊します。
鬼瓦を接着している漆喰
鬼瓦を接着しているのは漆喰です。

上写真の鬼瓦と棟瓦の隙間を埋めるように施工されている灰色の部分です。

漆喰は、消石灰に糊や粘土、砂利などが練られたものでもともと真っ白です。

瓦同士の隙間を埋めることで雨水の侵入を防いで葺き土を守るほか、屋根に美観を添える役割があります。

この漆喰は施工後15年ほどで経年劣化し、剥がれたり、空気中のほこりがついて黒ずんだりコケが生えて水はけが悪くなったりします。

こうして経年劣化した漆喰の隙間から、雨水が侵入するため、屋根全体に被害が広がらないよう、漆喰のメンテナンスをすることが重要です。
鬼瓦が落下した瓦屋根
こちらの屋根では、屋根全体に被害はなかったのですが、漆喰の劣化のために鬼瓦が剥がれ、落下したことで下の屋根の瓦が破損していました。
鬼瓦が落下してきて破損した桟瓦
屋根面に使用される瓦を桟瓦(さんがわら)といいます。

瓦自体は経年劣化せずともこのように上からの落下物の衝撃で割れてしまう事はあるので、台風などの災害後には注意が必要です。
鬼瓦交換作業現場
今回は鬼瓦まわりの葺き土を撤去し、防水力の高いなんばん漆喰を内部に詰めて鬼瓦を設置しました。

鬼瓦が落下した際に破損した下の桟瓦も交換しました。

瓦屋根のいいところは、このように損傷しても屋根全体を剥がす必要なく、部分補修ですむことです。

「ここだけ破損していて気になる」「うちの屋根は大丈夫かな」など、気になることがあれば、お気軽にご相談くださいね。

箕面市 瓦屋根のケラバと大棟修理

2021年6月25日|カテゴリー「スタッフブログ
瓦屋根修理のご依頼で多いのは、大棟とケラバと呼ばれる部分の修理です。

今回は箕面市にお住まいの方からご依頼があった、瓦屋根の大棟とケラバの修理の様子をご紹介します。

瓦屋根の被害と修理

捲れたケラバ瓦
瓦屋根で、雨樋がついていない方の端の部分を「ケラバ」といいます。

外壁から出っ張るようにして施工されたケラバは、夏は日差しを遮り、雨から屋根と外壁を守ります。

端に設置されたケラバ瓦は、日々雨風の影響を受けやすい部分のため、固定している釘や下地の葺き土が劣化してきます。

劣化したままの状態で台風等の災害にあうと、このように瓦が捲れあがってしまいます。
ビス打ちしたケラバ瓦
ケラバの修理は重要です。

ケラバ瓦が捲れていたり、ズレて隙間が出来た状態で放置すると、そこから吹き込む雨風が侵入して屋根の下地を腐食させてしまいます。

下地や屋根裏が腐食してしまった場合、大規模な工事が必要になります。

今回は瓦の下地材に損傷がなかったため、新たにパッキンのついた専用のビスで再度固定します。

防水力があり高耐久なパッキン付きビスは、雨風の影響を軽減し、ケラバの損傷を防ぎます。
崩壊した瓦屋根の大棟
大棟(おおむね)と呼ばれる頂上の屋根面接合部分は、天候の影響を最も受けやすい部分です。

雨水の侵入を防ぐために、複数の瓦を積み上げてある大棟は、瓦同士の隙間に施工されてある漆喰が劣化すると、このように災害時に一気に崩れてしまうことがあります。
穴があいた面戸漆喰
上写真の瓦の隙間にある白い部分が漆喰です。

この漆喰は雨水が屋根下地へ侵入するのを防ぐ重要な役割がありますが、施工後15年ほどで経年劣化します。

経年劣化した漆喰は、空気中の汚れが付着して色が変わったり、パリパリにひび割れてこのように穴があくことがあります。


瓦屋根の棟芯材
旧工法で使用されていた葺き土を撤去・清掃し、金具を屋根地面に固定します。

そこに棟芯材を設置し、ビスで固定します。
瓦屋根の大棟土台
葺き土と漆喰両方の役割を果たす、防水力の高いなんばん漆喰を詰めていきます。

なんばん漆喰のみで土台を固めることで、これまでの大棟劣化の原因であった葺き土と漆喰の密着力低下も起こらない非常に頑丈な大棟が出来ます。
瓦屋根の大棟仕上げ作業
大棟は、半円型の冠瓦のみで仕上げました。

複数段積まない分、瓦同士の隙間も少なく、雨水の侵入を防ぐため、経年劣化を大幅に軽減出来ます。

軽量化することにより、建物全体の重心を下げ、耐震力が上がります

屋根の点検やメンテナンスは、災害が起きる前の平時に依頼し、劣化している箇所は早めに補修しておくことがオススメです。

摂津市 雨漏りを解決する瓦屋根の修理工事

2021年6月21日|カテゴリー「スタッフブログ
雨漏りが発生した天井
居室内の雨漏りは、屋根の損傷が原因であることが多く、特に屋根の棟部が傷んでいるケースが多いです。

現在ではその対策として棟部の施工方法のトレンドも変わっています。

今回は摂津市で行った雨漏りの原因調査と修理工事の写真とともに、雨漏りの原因と対策をご紹介します。
崩壊寸前の瓦屋根の棟
屋根頂上で屋根面が接合された部分を大棟(おおむね)といいます。

この大棟は、接合部分に蓋をするように長方形の熨斗(のし)瓦や半円型の冠瓦を積んで施工されており、ひと昔前まではこの内部に葺き土と呼ばれる土が詰められていました。

葺き土で瓦を接着し、仕上げに瓦の隙間を覆うように漆喰を塗って雨水の侵入を防ぐのですが、この漆喰は築15年ほどで徐々にヒビが入るなどの劣化が始まって、ポロポロと剥がれていきます。


葺き土が流出した瓦屋根の棟
漆喰がなくなって隙間が出来た部分は、外気からの攻撃に無防備になり、雨水の侵入を繰り返す事で葺き土が痩せていき、やがて流出していきます。

葺き土が流出して土台がグラついた大棟は、台風や豪雨などの天候の影響を受けて瓦がズレていき、このように最後は崩れてしまいます。

崩れて大きな隙間が出来た状態で雨に晒されると、下の野地板を通過し、天井裏に侵入してやがて雨漏りとなるのです。
大棟に設置する補強金具
崩壊していた大棟の瓦と残っていた葺き土を撤去して、新しい棟の土台を支える補強金具を設置します。
大棟に設置する棟芯材
補強金具に棟芯材を留めつけていきます。
面戸漆喰の施工
棟芯材の周りを瓦との隙間を埋めるようにして、白いなんばん漆喰を詰めていきます。

現在では大棟の内部に土を詰めることはほとんどなく、代わりに防水材が含有されたなんばん漆喰のみで土台を仕上げます。

防水力と耐久力の高いなんばん漆喰は、雨水の侵入を防ぎ、経年劣化しにくいのが特徴です。
冠瓦1本伏せ工法で施工された大棟
近年は、関西でもあらゆる災害が頻発するようになり、雨漏りの対策だけでなく、耐風・耐震対策も重要視されるようになりました。

大棟には従来のように瓦を複数段積まずに、このように冠瓦のみで仕上げる冠瓦1本伏せ工法が採用されることが多くなりました。

屋根を高くして見た目を豪華にするよりも、低く仕上げて外気からの攻撃や地震で崩れる原因をなくそうという考え方です。
瓦屋根救援隊では、このような屋根の工事はもちろん、屋根全体の葺き替え工事から瓦1枚の交換でも喜んでうかがいます。いつでもお気軽にご相談くださいね。

豊中市 瓦屋根から土が流出するのはなぜか

2021年6月20日|カテゴリー「スタッフブログ
近年頻発する風災や震災直後の映像では、瓦が剥がれて被災している屋根をよく見かけます。

その屋根をよく見てみると、屋根上に剥がれた瓦のほかに土のようなものが流出していることが多いです。

これは、ひと昔前までスタンダードだった土葺き工法によって造られた屋根の劣化による被災がほとんどです。

今回は土葺き工法の屋根はなぜ崩れるのか、そして現在防災対策として葺き土の代わりに何が使われているかをご紹介します。
風災で土が流出した屋根

土葺き工法とは、屋根全面に土を敷き詰めることで建物を重くして安定させることを目的とした工法です。


葺き土には、屋根瓦を接着して風で飛ばないようにしたり、雨水を吸収したり、断熱効果の役割もありましたが、現在では耐震力や耐風力が問題視され、土葺き工法で屋根を葺くことはほぼなくなりました。


衰退したきっかけは関東大震災と言われています。


関東大震災により多くの家が倒壊し、その復興後には関東地区では土葺き屋根を見かけることがなくなったそうです。


ただ、全国でも比較的地震が少なかった関西地方では、今でも土葺き工法で造られた屋根を多く見かけます。


近年頻発する台風によって被災している屋根のほとんどはこの土葺き屋根です。

漆喰が剥がれ葺き土がこぼれた瓦屋根
先日豊中市にお住いの方からご依頼があり、現場調査に伺った時の写真です。

土葺き工法は、内部に土を敷き詰めて瓦を設置し、隙間には漆喰を詰めます。
(上写真の瓦の隙間に見える白い部分が漆喰です。)

この漆喰は、瓦の隙間を埋めることで雨漏りを防いでくれるのですが、絶えず降り注ぐ紫外線や雨風の影響を受けて約15年ほどで劣化しヒビ割れて剥がれていきます。

その隙間から侵入した雨水によって葺き土は濡れてまた乾燥します。

これを繰り返して経年劣化した葺き土は、痩せてきて接着機能が弱まり、漆喰との密着力もなくなって瓦を支えられなくなります。

支えを失った瓦はやがて剥がれて落下し、接着機能を失った土が剥き出しになり、そのまま流出します。
瓦屋根に使用されるなんばん漆喰
土葺き工法による漆喰と葺き土の互いの密着力の低下を解決するため、現在では葺き土と漆喰両方の役割を果たせる「なんばん漆喰」とよばれる下地材のみで仕上げる工法が主流となりました。

1種類で仕上げるので隙間が出来ず、防水力も高いため、雨水の侵食もほとんどなく屋根自体の寿命が格段に延びます。

瓦屋根は本来非常に頑丈なのですが、旧来の土葺き工法で施工された屋根が災害時に崩壊するケースが相次いでいるため、「うちももしかして・・?」と気になったら1度点検してみることをオススメします。

箕面市 瓦屋根で最も多い修理ポイントはどこか

2021年6月14日|カテゴリー「スタッフブログ
瓦屋根の瓦は、最も耐久性の高い屋根材であるということはご存知でしょうか?

他の屋根材の場合は、約10年~15年で塗装をし直す必要がありますが、瓦は焼き物なので非常に持ちがよく、色あせることはほとんどありません。

では、瓦屋根の修理とはどこを修理しているのか?

その修理やメンテナンスを怠ると、震災や風災でどんな被害が起こるのかを、今回の箕面市での屋根点検の写真とともにご紹介します。
瓦屋根の頂上部分は棟(むね)と呼ばれ、長方形の熨斗(のし)瓦を数段積み、その上に半円型の冠瓦を被せることによって降ってきた雨を下に受け流し、雨漏りを防止する役割があります。
瓦屋根の面戸漆喰
棟に積まれた瓦と屋根面の瓦との間に出来る隙間に詰められる白い漆喰を面戸漆喰(めんどしっくい)といいます。

この面戸漆喰の主成分は石灰で、そこに糊と麻や藁などの微細な繊維が配合されており、近年ではセメントが配合されているものもあります。

瓦を接着して隙間を埋め、雨水の侵入を防ぐとともに屋根の見栄えをよくする役割がある重要な部分ですが、この漆喰は施工後10年~15年ほどで経年劣化します。

劣化すると、見た目が汚れて色が変わり、パリパリにヒビ割れて剥がれたり隙間が出来たりします。


ズレ落ちそうな熨斗瓦
漆喰が劣化すれば、棟の瓦の接着力が弱まり、固定力を失って、強風時に棟の瓦がグラついて少しずつズレてきます。

瓦がズレて出来た隙間に雨水が侵入すると更に崩れやすくなり、また屋根下地まで雨水が浸透するのを繰り返すとやがて居室内への雨漏りに繋がります。
瓦屋根の棟の歪み
漆喰の劣化が始まった瓦屋根の棟は、上から見るとこのように歪みが発生していることが多いです。

瓦1枚1枚がそれぞれ少しずつズレてきたことにより棟全体が歪むのです。

この状態のまま漆喰を補修せずに放置していると、風災や震災で棟が崩壊します。

大がかりな補修工事となる前に、築後15年以上経っている場合はこの漆喰の補修をしておくと、低コストで更に頑丈な屋根を維持する事が出来ます。
瓦屋根の谷樋板金
屋根によってはこのように屋根面同士の接合部分が谷状になっていることがあります。

この谷状の部分は降雨時に雨水の主な通り道となって、軒の雨樋に受け流す重要な場所であり、ここには谷樋板金(たにといばんきん)という金属板が設置されます。

経年劣化しない瓦とは違って、この金属板は天候の影響を受けて経年劣化するので、サビが目立ってきたら穴があく前に交換しておくことをおススメします。
今回は瓦屋根の代表的な修理ポイントをご紹介しました。

瓦屋根は頑丈なので、頻繁にメンテナンスする必要はありませんが、このように劣化するポイントがいくつかあるので、防災対策もかねて平時に業者に点検してもらうことをオススメします。