茨木市 棟瓦積み直し工事

棟積み直し工事とは、屋根頂上に位置する棟の漆喰が剥がれて熨斗(のし)瓦にズレや歪み、崩れが発生している場合に行う工事です。

瓦屋根は耐久年数100年とも言われ、他の屋根材と比較しても頑丈でかなり優秀です。


そのため、ある程度築年数が経過していても、点検して全体に異常がなければ葺き替えたりする必要はなく、劣化がみられる部分のみの補修ですみます。


今回は茨木市にお住まいの方からのご依頼で、棟瓦の積み直し工事を行いました。

瓦屋根の棟積み直し工事を行いました

before
葺き土が崩れて鬼瓦が剥がれた棟
瓦屋根の四隅の軒先に向かって瓦が複数段積まれたこの部分を隅棟(すみむね)といいます。

この隅棟の漆喰が劣化して、内部の葺き土が崩れ出し、雨風の影響を受けて先端の鬼瓦は完全に剥がれてしまっていました。
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after
工事完了した鬼瓦部分
棟瓦積み直し工事と鬼瓦の補修工事完了です。

雨水が侵入して崩れ出していた葺き土を全て撤去・清掃し、漆喰を詰め直しました。

施工過程

棟瓦積み直し工事の施工過程をご紹介します。
棟の葺き土撤去
長めの築年数の瓦屋根の場合は、瓦を支える土台として葺き土が使われています。
隅棟の先端部分の瓦と漆喰を剥がし、内部の葺き土を撤去・清掃していきます。
なるべく砂ぼこりがたたないように、手作業で丁寧に作業します。
巴瓦の銅線固定
先端の巴瓦に銅線を取付けて銅線が出るようにします。
その上から新しい漆喰を詰めて固定します。

瓦屋根棟の漆喰詰め直し
銅線の先端を鬼瓦に取り付けて固定します。
今回使用している黒い漆喰は「なんばん漆喰」といいます。
棟の積み直しを行う場合、現在では葺き土を使わず、このなんばん漆喰を内部に詰めることがほとんどです。
なんばん漆喰は本来の漆喰に油脂や粘土が加えられており、防水性に優れています。
天候の影響による棟の経年劣化を防ぐことが出来ます。

漆喰と木材による棟の補強
漆喰の上に短冊状の熨斗(のし)瓦を積んでいきます。
更にその上になんばん漆喰を詰め、棟芯材を設置して冠瓦をかぶせて棟の積み直し工事が完了します。
この記事の最初のアフター写真が、積み直し施工の完成になります。